');
こころ 過食
摂食をめぐる問題行動の一つで、食欲が異常に旺盛になり、食べすぎてしまう状態が過食症です。多くの場合、ストレスなどの心の問題が原因となって起こります。大量に食べた後、体重の増加を防ぐために自発的に嘔吐をしたり、下剤などを使って排泄したりすることもあります。食べることを受けつけない拒食と逆の状態ですが、過食と拒食を繰り返す人もいます。
ストレスから食欲不振におちいるケースとは逆に、ストレスを感じると異常に食欲が亢進し、一度に大食いしたり、一日中食べ続けることがあります。「ストレス食い」とも「気晴らし食い」ともいわれ、大量に食べることがストレス解消の手段となっています。
極端な食事制限をおこなった場合、途中で挫折してリバウンドを起こし、食欲を抑えられなくなることはめずらしくありません。過食をした罪悪感からまた無理なダイエットを再開しますが、ダイエットによりストレスが溜まると、快感を求めて再び過食するという悪循環におちいります。
神経性食欲不振症(拒食症)とともに摂食障害の一つで、食欲を抑えきれず、一度に大量に食べたり、際限なく食べ続けたりします。多くの場合、過食後に自分の指でのどを刺激して嘔吐したり、便秘薬などを使って排泄したりする行動をくり返し、そういう自分に嫌悪を感じて、うつ的な気分におちいります。ストレスや、拒食の反動などによっても引き起こされます。
食べることでストレスを解消しようとする人は少なくありません。仕事や人間関係の悩みを一人で抱え込まず、誰かに相談したり、気分転換や質の良い睡眠を心がけて、ストレスを溜めないようにしましょう。また、食事以外のストレス解消法を見つけることも大切です。没頭できる趣味を作ったり、軽い運動を習慣づけましょう。
無理なダイエットの反動から過食におちいることがありますので、注意が必要です。減量は月に1キロ程度のペースを目標に、時間をかけて少しずつダイエットを進めましょう。
普段からつい食べすぎてしまうという人は、良く噛んで食べることを意識してみましょう。少ない量でも満腹感が得られ、消化も良くなるので一石二鳥です。また、1日2食など、不規則な食生活は過食やドカ食いの原因になります。1日3食の食事を規則正しくとるようにしましょう。
神経性過食症は体重が正常である場合が多いため、家族にも気付かれずに進行していくケースが多くみられます。周囲の人が気を配り、異常な大食いや食後の嘔吐など、食行動に異変がみられる場合は、心療内科に相談してみましょう。
思春期の女子は、成長とともに女性らしい体つきになりますが、モデルのようにスリムな体つきに憧れてダイエットに過剰な関心をいだきがちです。競ってダイエットに励む結果、拒食や過食におちいるケースも多くみられ、近年、全国の中学・高校で過食や拒食などの摂食障害が増えていると報告されています。無理なダイエットよりも健康が第一。自分をむやみに否定せず、自信をもつことが大切です。