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皮膚(全身) じんましん
皮膚に赤色からピンク色の表面が平らな盛り上がり(膨疹)ができ、激しいかゆみをともなうのがじんましんです。膨疹の大きさや形はさまざまで、数時間で綺麗に消えてかゆみもなくなりますが、しばらく時間をおいてからまたあらわれるのが特徴です。また、かけばかくほど症状は悪化し、膨疹は広がります。
魚介類ではサバやサンマなどの青魚やエビ、カニ、イカ、貝類、またピーナッツやソバがじんましんを起こすアレルギーの原因として知られています。乳児期の原因としては、圧倒的に鶏卵が多く、次いで牛乳、大豆が原因となることが多いのですが、最近では小麦でアレルギーを起こす子どもが増加しています。
花粉やハウスダストを吸い込むことでアレルギー反応を起こし、じんましんがあらわれることがあります。ハウスダストには、ほこりやカビ、フケ、じゅうたんや畳に潜むダニ、動物の毛などさまざまなものがあります。
衣類のゴムやベルトで圧迫された部分にじんましんが出ることがあります。時計のバンドや、かばんを下げていた腕の一部などにも起こります。この衣類の刺激などによるじんましんは赤く腫れるだけで、痛みやかゆみをともなわないこともあります。
お風呂などの熱いもの、冷たい水や冷たい風などの刺激がじんましんの原因になることがあります。まれに日光の当たった部分にじんましんが起こることがあります。また、運動したときなどに体が内から温かくなりますが、この体温の変化によってじんましんを起こすこともあります。
激しい運動などによる身体的ストレス、人間関係や仕事などの精神的ストレスによってもじんましんを引き起こすことがあります。これらはほとんど30~60分ほどでおさまるような一時的なものがほとんどです。
じんましんは、アレルギーが主な原因になります。アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息などのアレルギー性疾患を持っている人は、持っていない人よりもじんましんを起こしやすいといわれています。
抗生物質や風邪薬、解熱鎮痛剤、咳止めなどの身近な薬でもじんましんを起こすことがあります。特定の薬の服用でじんましんを起こすようなときは、主治医に相談しましょう。
じんましんの原因物質を食べたり、吸ったり、触れたりした後に、表面が平らで赤い膨らみが突然あらわれます。大きさは直径数ミリのものから、広範囲に地図状に広がるものまであります。この膨らみは数時間で綺麗に消えてかゆみがなくなることもありますが、出たり消えたりして数日間続くことがあります。
皮膚にじんましんがあらわれるのにともなって胸やのどが苦しくなり、ゼーゼーと音を立てたり咳が出たりすることがあります。このようなときは気道の粘膜にもアレルギー症状が出て、粘膜が炎症を起こし、狭くなっています。症状が激しくなると呼吸困難に陥ったり、さらにはショック症状(アナフィラキシーショック)を起こす可能性もありますので、緊急の対応が必要です。
アトピー性皮膚炎は強いかゆみをともなう湿疹が、顔や首、ひじや膝の内側などにでき、同じ部位に繰り返し起こります。そのため皮膚に色素沈着を起こし、表面が黒ずんできます。乳幼児期では赤いジクジクした湿疹、幼児・学童期では、皮膚全体がカサカサになります。じんましんでは皮膚が赤く盛り上がる、かゆみをともなう膨疹があらわれます。じんましんが消えた後は、通常、完全に正常化するので、色素沈着などは残しません。
原因となる物質を特定し、避けることでじんましんを予防できます。しかし、じんましんは食品や薬剤、吸入物など原因となる物質が非常に多く、簡単に原因を特定できるような検査方法がまだないため、原因を特定できないことも少なくありません。
かゆみがつらいじんましんは、患部を冷やすことで少し楽になります。ただし、まれに悪化することもありますので、その場合はすぐに冷やすのを止めましょう。入浴自体は差し支えありませんが、体を温めるとかゆみが強くなるので長時間湯船につかるのは避けた方が無難です。また、飲酒でもかゆみが増すのでじんましんが出ている間は飲酒を控えましょう。
じんましんが1カ月以上も続いたり、何度も起こるようなときは皮膚科やアレルギー科で診察を受けましょう。とくに子どもに初めてじんましんが起きたときや、じんましんとともに息苦しさやせきがあらわれたときは、すぐに皮膚科、内科、アレルギー専門医の診断を受けるようにしましょう。
慢性的にじんましんが起こる場合、食品との因果関係がはっきりしないことも多いにも関わらず、自己判断で食品を制限する人がいます。その結果栄養が不足してしまうケースもあります。検査などによって、はっきりと原因食品がわかっている場合以外は食事制限をしないようにしましょう。ただし、香辛料やアルコールなどはかゆみを増強させることになるので、控えた方が良いでしょう。