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皮膚(全身) 水虫(白癬菌)
カビの一種である白癬(はくせん)菌が、足の裏をはじめ体や頭などの皮膚に入り込み、感染した状態です。白癬菌による小さな水ぶくれが目立つことが多いため、水虫とも呼ばれています。水虫は、男性がなるものというイメージがありますが、最近は、女性でも水虫に悩まされる人が増えています。
白癬菌は、革靴やパンプス、長靴やブーツの靴の中といった、通気性が悪く高温多湿な環境で繁殖しやすくなります。最近は、1日中パンプスやブーツを履く女性が多く、長時間履いていると足が蒸れるため、水虫に悩まされる人も増えています。
水虫に感染している人の使ったマットやスリッパに触れることで、水虫に感染する場合があります。銭湯や温泉、プール、ジムなどの脱衣所や通路、病院の体重計や居酒屋の畳、スリッパなど、白癬菌が足に付着する機会は常にあると考えられます。
白癬菌の中には、犬や猫などの動物の毛を好んで寄生するものもいます。水虫に感染したペットを抱くことにより、感染することがあります。感染した場合、ペットを抱いたときに触れやすい顔や首、腕などに強い赤みとかゆみがあらわれます。
足の指の間、とくに薬指と小指の間が赤く腫れ、皮膚が白くふやけてジクジクし、赤くただれ、かゆみが生じます。水虫に一番多いタイプといわれています。
足の裏の土ふまずや、足の指の付け根に近い部分などに、赤い水疱ができます。激しいかゆみをともないます。水泡が目立たず、薄い皮がむけるだけの人もいます。
かゆみはありませんが、足の裏全体やかかとの角質層が厚く、硬くなっていきます。こすると皮がむけたり、あかぎれのようなひび割れを起こします。はがれた角質が床に落ち、そこから感染することがあります。
爪の表面に光沢がなくなり、厚く白濁し、爪の質がもろくなります。他の爪に感染したり、治りにくいなどやっかいな水虫です。足の水虫をきちんと治療しなかったために、足の爪に白癬菌がうつるというパターンが多くみられます。
顔、体幹、手の甲、足の甲までありとあらゆる場所に繁殖する可能性があり、初期は虫さされのような赤いブツブツができ、その後赤い輪となって広がります。かなりの激しいかゆみをともないます。
股間に繁殖した白癬菌が感染し、弓状の赤い隆起ができ、激しいかゆみをともないます。股の部分に汗が溜まりやすい男性に感染が多くみられます。
頭に繁殖する水虫です。頭皮の毛穴や毛髪に白癬菌が感染し、頭皮の炎症と脱毛を引き起こします。頭部に丸く脱毛斑が生じたり、毛穴が赤く腫れ上がることがありますが、かゆみはありません。白癬菌に感染した部分に残っている毛を引っ張ると、抵抗なく抜けることが特徴です。
家に帰ったら足を洗う習慣をつけましょう。洗うときは、足の指の間まで石けんなどでよく洗いましょう。白癬菌は24時間以内であれば、洗い流すことで死滅します。足を清潔に保つためにも、靴下を毎日履き替えることはもちろん、足の手入れをこまめにしましょう。
白癬菌は温かく湿った環境を好み、とくに温度26℃前後、湿度70%以上のとき、最も活動が活発になるといわれています。足は常によく乾燥させておきましょう。
窮屈な靴は避け、通気性の良い靴を選び、一足を履き続けるのではなく、何足かを交互に履きましょう。通勤用と職場用と使い分けるのもおすすめです。また、靴はときどき陰干しして、湿気を除いておきましょう。
白癬菌に感染している人の皮膚が剥げ落ち、そこから菌が増殖し、同居している家族などが感染することが多くありますので、まめに掃除をして、部屋のゴミ、ホコリを排除しましょう。また、バスマットやスリッパは白癬菌が繁殖しやすい温床となりますので、各自別々にするのが理想的です。
こまめな掃除や靴の選び方など、すぐにできることから見直しを始めましょう。とくに、足の洗浄は大切です。ゴシゴシこすらず、指の間まで丁寧に洗いましょう。また汗をかきやすい人は、靴下は5本指ソックスをはくのもおすすめです。5本指ソックスは、指の1本1本が独立しているので、指の間に湿気がこもりません。
白癬菌は、皮膚の奥深くに入り込むため完治に時間がかかります。症状が改善したと思って治療を止めてしまうと、すぐに再発してしまうことがあります。治療、再発を繰り返すことで慢性化してしまうことがあるので、症状が消えてもその後1ヵ月は治療を続けることが、再発を防ぐコツです。
趾間型、小水疱型、角化型、たむし、いんきんたむしには、白癬菌を破壊するブテナフィン塩酸塩などを配合した薬が効果的です。エアゾール剤やクリームタイプなどがあります。水虫の薬は、毎日欠かさずかゆみや赤みのある患部よりも広く薄く塗りましょう。入浴後が効果的です。
爪水虫やしらくも、重度の角質増殖型は外用薬だけでは完治しない場合があります。主治医に相談するか皮膚科に行きましょう。
家族に水虫の人がいるとき、つい感染を恐れて洗濯を別にしている人も多いはず。 ですが、洗濯しているうちに白癬菌を含んだアカは洗い流されますので、洗濯機の中で白癬菌がうつる心配はありません。