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目 目の乾燥(ドライアイ)
涙の量が減って目が乾燥した状態です。目の乾きや疲労、異物感、かゆみ、充血、目やになどを引き起こします。原因は目の酷使や乾燥などの生活習慣によるものと、疾患によるものがあります。
パソコン、テレビゲーム、携帯電話などのモニター画面を長く見続けていると無意識のうちにまばたきの回数が減ってしまいます。まばたきをしないと涙の分泌が減ったり、涙が蒸発して目が乾燥します。
冷暖房の効いた部屋は、室内が乾燥しているので、目が乾燥する原因になります。また、空気が乾燥しやすい冬や風が強い日も、目が乾燥しやすい環境です。また空気の汚染は目を刺激して、目の乾燥を悪化させることがあります。
仕事や勉強によるストレス、疲労、睡眠不足、夜型の生活スタイルなどは、自律神経の働きを乱して、涙の分泌を減少させ目の乾燥を招きます。
コンタクトレンズを長時間つけていると涙が角膜へ十分に行きわたらないので、目が乾きやすくなります。
マイボーム腺はまぶたのふちに数多くあり、目を乾燥から防ぐための脂肪を分泌しています。ここがマスカラのかすや分泌物などで塞がれると、脂肪の分泌が減り涙が蒸発しやすくなり、目が乾燥します。目がショボショボする、ゴロゴロする、といった異物感や充血、目の奥がしみるなどの症状を引き起こします。
体の免疫システムに異常が生じて、自分の体を攻撃してしまう疾患です。涙腺や唾液腺など全身の分泌腺が破壊され、重度のドライアイや口の中の乾燥、皮膚の乾燥を引き起こします。50歳代をピークに40~60代に多くみられ、圧倒的に女性に多い疾患です。
目の乾燥や異物の混入などで、目を保護する役割の涙が減少します。そのことが原因となって、角膜の表面に傷ができたり、細菌やウイルスに感染して炎症を起こすのが角膜炎です。目の異物感や痛み、充血、涙があふれるなどの症状があらわれます。
角膜炎が悪化して、角膜の上皮の一部が欠損した状態です。強い細菌感染をともないます。充血や激痛などの症状があらわれ、ときには大量の目やにをともなうこともあります。角膜潰瘍を放置していると、角膜に穴が空く角膜穿孔(せんこう)に進行することもあります。
長時間にわたってモニターを凝視する仕事では、間に休みをはさみましょう。1時間ごとに約15分は目を休めて、目の疲れをとる体操やマッサージをしましょう。また、蒸しタオルをまぶたの上にのせて、目を休めるとスッキリとします。遠視の場合は、たまに遠くを眺めるのも効果的です。
パソコンやテレビの画面と、目の距離は40cm以上離すようにしましょう。またこれらの画面が自分の目より上の位置にあると上目使いの状態になり、より一層目が乾燥しやすくなります。画面が目線より下の位置になるように、椅子の高さや配置などを調節しましょう。
目の乾燥を防ぐために加湿器や濡れタオルを干して、室内の湿度を適度に調節しましょう。また、エアコンの風が直接目にあたらないように、送風口の向きを変えるなどの工夫もしましょう。
室内が暗いと目が乾燥しやすくなります。とくに読書をしたり細かい作業をするときは部屋全体を明るめにするか、部分照明を活用しましょう。またパソコンを使うときは読書のときよりも少し暗い室内照明のほうが目が疲れにくくなります。さらに、外の光がパソコンのモニターに映りこまないようにカーテンなどで遮光しましょう。
仕事や勉強に集中すると、一点を凝視することになり、目を知らず知らずのうちに酷使しています。意識的にまばたきの回数を多くして、涙の分泌を増やしましょう。
目を温めると血行が良くなり、目の筋肉の緊張が緩和するので、疲れ目に効果を発揮します。蒸しタオルなどを使ってみましょう。ただし、白目が充血しているときは炎症をとるために冷やすほうが効果があります。また暑い季節は目を冷やすとひんやりと心地良く、目がスッキリとします。
目が乾燥したときは、涙と同じ成分の塩化ナトリウムや塩化カリウム、塩化カルシウムが含まれている点眼薬でやさしく目を潤してあげましょう。
強いかゆみや痛みをともなうときや市販の点眼薬をさしても治まらないときは、免疫の異常による角膜障害や他の重い疾患が隠れている場合もありますので、病院で診察を受けましょう。
ドライアイのケアには、点眼薬をさすのが一般的ですが、その効果をさらに高める方法があります。 点眼時は頭を後方に傾け、天井を見つめるようにします。そして、一方の手で下まぶたを軽くひっぱり、点眼容器を目の真上に持ってきて点眼しましょう。点眼後はしばらく目頭を押さえて目を閉じると、目がよく濡れて、眼球に成分がしっかり行きわたります。 最後に、目のふちや皮膚についた余分な点眼液をティッシュペーパーなどで拭きとりましょう。