');
皮膚(全身) イボ
イボは皮膚にできる小さな突起物で、皮膚の良性の腫瘍です。イボは、潰すとウイルスのいる液体が出てくることもありますが、突起自体が硬いしこりになる場合もあります。大半は痛みがありません。放置していると皮膚にあとが残ることがあります。特定のウイルスによって生じるイボは、子宮頸がんの原因になることもあります。
イボの原因は、主にウイルスによる感染です。ウイルスは皮膚や粘膜の傷から侵入するので、元々皮膚の免疫力が落ちているアトピー性皮膚炎の人や、汗をよくかく人、湿疹のある人にできやすい傾向にあります。ウイルス感染によるイボは、潰すと液体中のウイルスで感染が広がりイボが増えてしまうので、なるべく潰さないようにしましょう。
加齢とともに、皮膚に褐色や黒色をしたイボができることがあります。これは皮膚の老化現象の一つで、紫外線や遺伝などが影響していると考えられています。大きさは数mm~2、3cmほどで、表面はザラザラしていることが多く、汚れた毛穴のような黒点が多数みられることがあります。急に数が増えるようなときは、悪性腫瘍の疑いもありますから、病院で診察を受けましょう。
最も多くみられるイボです。ウイルス感染によって灰色、黄色、茶色をした直径数mm~1cmの隆起ができ、その中に液体を含んでいます。ひじ、顔、指、爪の周り、足の裏などによくできます。足の裏のイボは体重がかかって平らになり、うおのめと間違えることがあります。
加齢にともなって発生する良性の腫瘍で、皮膚の老化現象の一つです。高齢者の多くにみられるもので、手のひらや足の裏以外の皮膚であれば全身のどこにでもあらわれますが、とくに顔や体、手などによくみられます。表面はザラザラとしていることが多く、色は薄茶色から黒色までさまざまな濃さがあります。ウイルス感染によるイボと違い、感染の心配はありません。
直径1~3mmの表面がつるつるしたイボで、首やわきの下、ひじや膝の裏側などにでき、かゆみをともなうことがあります。原因はウイルスによる感染です。水イボのウイルスは伝染力が強く、皮膚と皮膚の接触で感染したり、かきむしってイボの中のウイルスが飛び散ると、何十個にもなったりすることがあります。主に幼い子どもがかかりやすく、とくにプールの時期などに流行します。
子宮頸がんの原因となることで知られているヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こります。しかし、HPVにはたくさんの型があり、コンジローマを発症させる型と子宮頸がんのリスクになる型とは異なるものです。主な感染原因は性行為で、男女ともに性器や肛門の周辺に、薄いピンク色や褐色調をしていて、直径1~3mmほどのニワトリのトサカや乳頭の形のようなイボができます。このイボは、ほとんどの場合が無症状ですが、まれに軽い痛みやかゆみをともなうことがあります。
水イボは感染力が強いので他の人にうつらないよう、家族とタオルを共有しない、プールや公衆浴場は避けるなどの配慮が必要です。また、かいてイボを潰してしまうと、体の別の場所に感染しますから、患部をガーゼなどで覆い、かゆみが強いときには冷やしてかゆみを軽減するといいでしょう。
尋常性(じんじょうせい)イボには、イボに効能のある市販の塗り薬や内服薬が有効です。ただし、市販薬を使っても効果がみられないイボや足の裏にできたイボは硬くなって治りにくいので、一度専門医を受診することをおすすめします。
イボは再発しやすく、また放置しているとあとが残ってしまうこともありますから、尋常性イボや水イボができたときは早急に皮膚科で診察を受けましょう。また、尖圭(せんけい)コンジローマは泌尿器科や皮膚科で診察を受けましょう。
子どもに突然小さな水ぶくれが手や足に固まって10個くらい出たときは、水イボか手足口病の可能性があります。このふたつは、症状が似ていて区別がつきにくいものです。区別するポイントは3つ。皮膚の表面にしか水ぶくれができない水イボと違って、手足口病は手や足に水ぶくれが出た後に口の中にも水ぶくれがあらわれます。さらに、水イボでは熱は出ませんが、手足口病では微熱が出ます。また、水イボには痛みはありませんが手足口病には痛みがあります。この3つで区別するといいでしょう。手足口病の疑いがあるときは、かかりつけの小児科で診察を受けましょう。