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肩 関節痛
炎症や外傷などによって関節部に痛みが生じるのが関節痛です。また、運動過剰による関節の障害、加齢や運動不足による関節の変形、肥満による過剰な関節への負担で関節の軟骨がすり減ることなどでも痛みがあらわれます。
野球肩や野球ひじ、ゴルフひじ、テニスひじのように、特定の関節を酷使して負荷をかけすぎると炎症や変形を起こしてしまうことがあります。また、走る、飛ぶ、蹴るなどの多彩な動作の元となる膝は、酷使されることが多く、それが原因となり、膝関節のあいだにある半月板損傷を引き起こします。
関節と関節のあいだの、クッションの役割を果たす関節軟骨が加齢や運動不足、肥満による過剰な関節への負担で変形していきます。そのために、痛みや動きの障害が起こります。
正式名称は肩関節周囲炎といいます。加齢にともない、肩関節とその周辺の組織が慢性的な炎症を起こし、腕を上げたり、後ろに腕を回す動作が痛みのために制限されます。肩の痛みは、程度によって6ヵ月~1年半ほどで回復しますが、回復を早めるには、肩の運動を行うのが効果的です。
加齢による関節の変形や肥満による過剰な体重の圧力により、膝関節の軟骨がすり減って、関節が変形や炎症を起こし、痛みが生じます。初めは長時間歩いたり運動したあとに膝の痛みを感じます。さらに進行すると、歩き始めに痛みを感じるようになります。膝の痛みの中でもっとも多く、女性に多くみられます。
感染症が引き金となる全身的な免疫異常が原因となり、関節に慢性的な炎症が起こり、関節の痛みや変形が生じます。関節のこわばりや腫れ、痛み、筋肉の硬直などの症状があらわれます。とくに女性に多くみられます。
ケガなどが元で、関節に細菌が入り込み、関節が化膿し炎症を起こします。関節部が炎症によって赤く腫れ、痛みが生じ、進行すると関節が破壊されて固まり、日常生活に支障をきたすこともあります。
アルコールや肉、魚に含まれるプリン体のとり過ぎや水分不足などによって血液中の尿酸が高い状態が続き、血液中に溶けきれなくなった尿酸が結晶となって関節に溜まり炎症を起こしている状態です。足の親指付け根の関節部が突然激しく痛み、赤く腫れ上がる発作ではじまります。
関節の周囲にある靭帯に無理な力が加わり、靭帯の組織が切れた状態です。足首の関節に起こることが多く、腫れや痛みの症状があらわれます。靭帯が完全に切れてしまった場合は、関節がガクガクと不安定になり、手術で切れた靭帯をつなぐ必要があります。
自宅でもできる簡単な運動を毎日行い、関節の劣化を防ぎましょう。左右の腿を交互に、できるだけ水平に高く上げる腿上げや、椅子に座って片足を前にピンと伸ばし、10秒間静止する運動、ウォーキングなどがおすすめです。激しすぎる運動は、逆に関節に負担をかけるので、注意しましょう。
肥満は、膝の負担の大敵です。肥満気味の人は、膝にかかる負担を軽くするために、体重のコントロールを心がけましょう。
悪い姿勢は重心がずれる原因となります。正しい姿勢を保つようにしましょう。また、畳の上での生活は、立ったり座ったりする動作が多いので、膝に負担がかかってしまいます。膝のためにはテーブルと椅子、ベッドが好ましく、トイレも洋式の方が膝に負担がかかりません。
ヒールの高い靴や、形の合ってない靴を履いていると、知らず知らずのうちに膝に負担をかける歩き方になってしまいます。靴は、底に厚みのあるウォーキングシューズなどを履きましょう。さらに、膝の屈伸が楽に行えるように、ウエストや脚にゆとりのある服を選びましょう。
体を冷やしてしまうと、血液循環が悪化して関節痛がひどくなります。38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆったりとつかりましょう。
体重や靴、運動過剰など、関節に負担をかけるようなことをしていないか、生活習慣を見直して改善していきましょう。
慢性的に関節が痛むときには患部を温めて痛みやこわばりを取る温熱療法が効果的です。温湿布やぬるめのお風呂で温めましょう。しかし、急性の関節痛の場合は、冷やすようにしましょう。
関節のなかでも、とくに膝に痛みを感じるときは、階段の昇降の際に工夫をしましょう。昇るときには痛みを感じるほうから昇り、降りるときは痛みの強いほうから降り、昇るときも降りるときも1段ごとに両足をそろえるようにすると、痛みを緩和できます。
関節痛の緩和には、鎮痛消炎成分インドメタシンやフェルビナクなどを配合した外用鎮痛消炎薬や、消炎鎮痛成分イブプロフェンが配合された内服薬が効果的です。さらに、ビタミンB、B、Bなどの有効成分を配合したビタミン剤も、効果があります。
関節部が真っ赤に腫れる、熱をもつ、痛みが治まらないといったときは、他の疾患が隠れている可能性があります。少しでも早く病院で診察を受けましょう。
膝は常にあなたの体重を支えています。 平地を歩いているときは体重の約3倍、階段の上り下りでは約7倍、走っているときは約10倍の荷重がかかるという説もあります。 そのため、肥満の人はさらに負荷が加わるので、できるだけ標準体重に戻すことを心がけましょう。